無理のない支払い額はいくら?|資金計画・住宅ローン
- 横山大祐
- 資金計画・住宅ローン
こんにちは、匠工房です。
今回は住宅ローンの事前審査を経た後の、実際に借りる額についてお話しします。
1. 借りられる金額と借りたい金額
1-1.借りられる金額は借りるべき?
住宅ローンの事前審査とは、住宅ローンを契約する前にその人に返済能力があるかどうかを判断し、年収や借入れ状況などからいくら借りられるのかを審査してくれます。では、事前審査で確認できた借りられる金額分はめいっぱい借りるべきなのでしょうか?
結論から言うと、借りられる金額と借りる金額は別物です。数字上借りられるからと言って、無策で借りてしまうと今後の生活を圧迫してしまう可能性があります。
例えば、事前審査を行なって4,000万円借りられることが分かったとします。4,000万円借りたとしたら、月々の返済額はいくらでしょうか?金利が0.575%、ボーナス払いなしの35年間の支払いで計算してみると、月々105,165円となります。どうですか?住宅ローンの支払いだけで10万円…知らずに借りていたらびっくりしてしまいますね。
1-2.月々の支払いから逆算する
住宅ローンは借りられる金額を知ることがまず大事ですが、次に支払っていける金額を考えることが重要です。例えば月々の支払いは8万円が希望なら3,000万円借りるという風に、支払い額から逆算して借入額を決めましょう。
2. 支払い額の決め方
2-1.住宅市場動向調査による返済額平均
国土交通省の「令和2年度 住宅市場動向調査」を基に、住宅ローンの平均の返済額を見てみましょう。(注文住宅の調査地域は全国、その他住宅は三大都市圏で調査)
【返済額】
注文住宅…10.4万円
建売…10.3万円
新築分譲マンション…11.6万円
中古戸建…9.3万円
中古マンション…7.7万円
※毎月の返済額は年間の返済額を12ヶ月で割り千円未満を四捨五入
【購入資金】
注文住宅…4,606万円
建売…3,826万円
新築分譲マンション…4,639万円
中古戸建…2,894万円
中古マンション…2,226万円
新築は10万円前後、中古物件は7~9万円の返済額が平均のようです。なお、地域によっては土地の価格がまったく異なりますので10万円以下の月々の支払いで注文住宅を建てることも可能です。
2-2.家計から考える
月々の家計の支出から考えてみるのも1つです。例えば、賃貸に住んでいるなら今の家賃は家計的にどうでしょうか?厳しいのか、1万円上げても問題なく生活ができそうか…生活費はマイホーム購入後も支出されていくお金です。もちろん貯蓄も大切ですね。全体的な現在の家計状況から払っている家賃相当額の支払いよりどうか?を検討すると、住宅ローンの支払い額も見えてくるでしょう。
一方で、会社から家賃補助が出ており家賃が1万や2万で済んでいる場合、いきなり住宅ローンの支払い額が9万円に上がったとしてどうなるのかを想像するのは難しいですよね。そういうときは住宅ローンの支払い額分を抜いたお金で半年ほど生活してみる、などのシュミレーションをしてみてください。例えば、上記の支払い平均額である10万円を差し引いた額で生活してみるのです。続けられそうであれば月々の支払い額の予算は10万円となりますし、厳しければ9万円、8万円と下げてみてください。不透明な部分をそのままにするといざ住宅ローンが始まったときに苦労してしまうことになりかねません。安心してマイホームで生活していけるよう、しっかりと準備しましょう。
2-3.ボーナス払いについて
住宅ローンの支払い方法を考えるとき、ボーナス払いを検討する方もいらっしゃいます。ボーナス払いは月々の支払いを軽減するメリットがあり、希望する方も一定数いらっしゃいます。しかし、ボーナス払いを前提とした借入れはオススメしていません。何故なら、ボーナスは必ず想定した額をもらえるとは限らないからです。ボーナス払いで払いきれない分は、貯蓄などで支払わなければならず、結果的に家計を圧迫してしまう恐れがあります。
住宅ローンでは、ボーナス払いを前提とせず借入額を決め、ボーナスがもらえたら無理のない範囲内で繰り上げ返済をしていくようにするか、ボーナス全部を住宅ローンに充てないような組み方をすることをオススメします。(ボーナス払いや繰り上げ返済については、今後記事にします)
2-4.ファイナンシャルプランナーに相談する
ファイナンシャルプランナーとは、お金の様々な悩みに対して提案とサポートをしてくれるお金の専門家のことをいいます。ライフプランに基づいて将来のお金の見通しを立て、資金計画を提案してくれます。ファイナンシャルプランナーは住宅ローンの相談にものってくれます。年収や年齢、家族計画などからお子さまに必要な教育費や老後のお金まで見据えた上での住宅ローンの組み方についてアドバイスをしてくれます。不透明な部分をプロの目線からアドバイスしてもらうことで安心感が得られますね。
3. まとめ
・住宅ローンは借りるのではなく返すものとして捉え、しっかりと地に足のついた資金計画を立てるべし!