【お金の返し方】元利均等と元金均等|資金計画・住宅ローン
- 成瀨朋哉
- 資金計画・住宅ローン
こんにちは、匠工房です。今回は住宅ローンの返済方法についてお話しします。住宅ローンの返済方法には2種類あり、それぞれにメリット・デメリットがあります。各々の特徴やどういう方に向いているかなどについて触れていきたいと思います。
1. 2種類の返済方法
1-1.元利均等とは
元利均等とは、毎月の支払額が一定となる返済方法です。毎月の返済額は変わらず、その額の中の利息と元金の割合が変動していきます。銀行でまず最初に提案されるのは元利均等の場合が多いです。
1-2.元金均等とは
元金均等とは、支払額の内の元金の額が一定となる返済方法です。元金を返済期間で割り、残高に応じて利息を算出し、返済額が決まります。
2. それぞれのメリット・デメリット
2-1.元利均等のメリット
返済額が一定なので、住宅ローンの返済を固定費として家計管理できます。将来の家計収支も見通しが立ちやすくなります。また、元金均等に比べて返済開始時の返済額を少なくすることができます。
2-2.元利均等のデメリット
返済額が一定であるが故に、総返済額が多くなってしまいます。返済開始時は、返済額のうち利息として支払う金額の割合が大きいため元本の減りが遅いためです。そこで住宅ローンの繰り上げ返済を計画的に活用し元本を減らすことで、総返済額を減らすことができます。繰り上げ返済を行なうことで、返済額や返済期間を短くできるのです。ただし、ボーナスがもらえたり、自己資金に余裕ができたりしたときに行ないましょう。もしものためのお金にまで返済に充ててしまうのは本末転倒です。
2-3.元金均等のメリット
元金均等のメリットは、元金の減りが早く、総支払額が元利均等より少ないことです。返済開始時の返済額から減っていくだけなので、どんどん支払いは楽になっていきます。
2-4.元金均等のデメリット
元金均等のデメリットは、返済開始時の返済額が高額であることです、そのため、返済比率が合わず希望額の借入れができない可能性があります。また、元金均等はまれに扱っていない金融機関があります。組みたい金融機関があって、かつ元金均等で住宅ローンを組みたくても叶わない可能性がありますので、事前に確認するようにしましょう。
3. どちらがお得か?
3-1.返済シミュレーションでみる
まずは同じ条件で元利均等、元金均等それぞれで返済したときの違いを見てみましょう。
条件は、借入金額3,000万円、金利2%(固定)、返済期間は35年とします。
まず、元利均等の場合
1年目の月々の返済額は99,378円です。内訳は元金が50,291円で利息が49,087円です。これが10年後になると月々の返済額は変わらず99,378円、内訳の元金が60,201円、利息が39,177円となります。返済総額は41,738,760円です。
次に、元金均等の場合
1年目の月々の返済額は120,118円です。内訳は元金が71,428円で利息が48,690円です。これが10年後になると月々の返済額は変わらず107,261円、内訳の元金が71,428円、利息が35,833円となります。返済総額は40,524,469円です。
こうして見てみると、やはり月々の返済額の差は大きいですね。返済額を比べると元利均等の方が有利です。しかし、利息を見ると元金の減りが大きく違います。また、返済総額も大きく差が出ています。月々の返済額を優先するか、返済総額を優先するかが選択の基準となりそうです。それでは、それぞれがどういう人に向いているのかを見ていきましょう!
3-2.元利均等が向いている人
「月々の返済額ができるだけ低い方がいい」「家計の管理がしやすい方がいい」という方には元利均等がおすすめです。超低金利の時代の今、その恩恵が受けられやすいのが元利均等です。ただし、総返済額が高くついてしまうので無理のない範囲で余裕があるなら繰り上げ返済を行なうことをオススメします。
3-3.元金均等が向いている人
「将来教育費など支出が増えて不安なので、返済に充てられるお金がある今、どんどん返済したい」「将来、買い替えを予定しているので少しでも元金を減らしてきたい」という方には元金均等が向いています。ただし、返済開始時の返済額はかなり高額になるので、支払い続けられる馬力のある方でないと厳しいでしょう。
4. まとめ
・元利均等は返済額が一定になる返済方法。月々の返済額の支払いを抑えたい人向けですが、総返済額が高くなるデメリットがあります。繰り上げ返済などを上手く使うことがオススメ。
・元金均等は、返済していく元金の額が一定になる返済方法。返済開始時の返済額がかなり高額ですが、その分元金の減りが早いので総支払額を抑えることができます。今余裕があり、将来の収入や支出額に不安があり少しでも早く元金を減らしていきたい方にオススメ。
・ご自身の収入がどうなっていくのか、お子様の教育資金やご自身の老後のための資金など、将来的な資金計画を踏まえつつ、ライフスタイルに合わせた支払い方法を選択するようにしましょう。
次回も引き続き返済方法についてお話していきます。