【お金の返し方】固定金利と変動金利どっちを選ぶ?|資金計画・住宅ローン
- 藤井和典
- 資金計画・住宅ローン
こんにちは、匠工房です。今回は住宅ローンの金利についてお話しします。金利には種類があり、選択することができます。それぞれのメリットとデメリットを踏まえて、どのような人に向いているのかをお話していきます。
1. 金利の種類
1-1.(全期間)固定金利
固定金利とは、その名の通り金利が一定に固定されたものです。住宅ローンの金利は市場金利に影響されます。市場金利が上昇すれば住宅ローンの金利も上昇する傾向にありますが、固定金利はこれに影響されません。契約時に設定されている金利が完済まで続くということになります。
1-2.期間選択型固定金利
期間選択型固定金利というのは、上記の固定金利を期間限定で行なうものです。金融機関にもよりますが、3年・5年・10年などと選べるようになっています。例えば3年固定金利を選んだ場合、3年間は金利が変動しないということになります。3年経つタイミングで再度固定金利を選択するか変動金利を選択するか決められます。もし選択しなかった場合は自動的に変動金利に移行します。
1-3.変動金利
変動金利は、固定金利とは逆に市場金利の影響を受けて、金利が定期的に見直されることをいいます。金利の見直しは半年ごとに行なわれ、返済金額は5年ごとに見直しになることが多いです。
2. 固定金利について
2-1.メリット
固定金利のメリットは2つあります。1つ目は金利が固定されているため市場の経済状況に左右されることがなく安心感があるという点にあります。そして2つ目は、返済額が変わらないため家計の管理がしやすい点です。住宅ローンの返済を固定費として扱うことができるのは、固定金利の大きなメリットです。
2-2.デメリット
金利を変えずに金融機関が住宅ローンで利益を得るにはある程度の金利を設定する必要があります。そのため固定金利は変動金利より金利が高く設定されています。月々の返済額が高くなるので、当然総支払額も高くなります。また、固定金利は全期間を選択すれば返済が終わるまでずっと、期間選択型はその期間中、固定金利から変動金利に変更することはできない点にも注意が必要です。
2-3.向いているのはどんな人?
固定金利が向いているのは、金利が上昇することが不安で、返済額が多少高くても安心を得たい方や、経済状況の把握をこまめにするのが難しく、変動金利から固定金利に移行するタイミングを見計らうのも難しい方に向いています。また、返済額が一定であることから、貯金に向けて支出をできるだけ一定にしたい方にも向いているといえます。
3. 変動金利について
3-1.メリット
現在、超低金利時代が続いていることからその恩恵を受けられるのが変動金利のメリットです。また、変動金利はフットワークが軽い点もメリットです。いつでも固定金利に変更することができるため、経済状況を鑑みて「金利が上がるかも」というタイミングで固定金利に変更することで、出来るだけ返済額を抑えることができる可能性があります。
住宅金融支援機構による住宅ローン利用者の実態調査を見てみると、2021年4月の調査時では変動金利を選択した人が68.1%、期間選択型固定金利を選んだ人が20.7%、(全期間)固定金利を選択した人が11.2%でした。やはり、低金利時代の恩恵は大きく、できるだけ享受したい方は多いのだと思います。
3-2.デメリット
将来金利が上昇すれば、返済総額も上がってしまいます。そのため、世の中の経済状況を注視しておく必要があります。
3-3.125%ルール
125%ルールとは5年ごとの返済額の見直しの際に金利が上昇し返済額が上がったとしても、前の返済額の125%までしか返済額は上がらないというルールのことをいいます。このルールにより、急激な返済額の上昇で家計が破綻することを出来るだけ抑えるための措置です。しかし、125%をはみ出した額を支払わなくてもいいというわけではありません。繰り越し返済や返済最終回にて支払うことになります。
3-4.向いているのはどんな人?
現在は超低金利時代と言われるほど金利が低いので、できるだけ返済額を抑えたい方は変動金利を選ぶといいでしょう。また、経済状況をこまめにチェックできる人にも向いています。変動金利はいつでも固定金利に変更することができるので、一旦様子見したいという方はひとまず変動金利を選びましょう。
住宅ローンの返済は金利の選択と支払い方法の選択の組み合わせで返済額が決まります。返済シュミレーションで返済額を比べながら検討しましょう。
4. まとめ
・固定金利は支払額が一定のため安定性を求めている方にオススメ
・変動金利は返済額が固定金利に比べて少ないですが、金利の上昇の可能性が今後出てくるかもしれないので注意が必要です。
・変動金利と固定金利では、返済額に差が出ます。固定金利は額が大きくなってしまうため、返済額を比べて払っていけるかどうかの検討も必要です。
・将来的なライフプランなども踏まえて、金利を選択することが大切です。