建築条件あり・なしってなに?|マイホームの基礎知識
- 坂根健吾
- マイホーム基礎知識
こんにちは、匠工房です。今回からはマイホームを建てるのに役立つ基礎知識を連載していきます。
初回は土地に関するお話です。土地の資料を見たときに「建築条件あり」「建築条件なし」という文言が書いてあると思います。売り土地には建築条件の有無の記載されており、建物に関する重要な条件となっています。以下では、建築条件について詳しく説明していきます。
1. 建築条件とは?
建築条件とは、その土地を購入する際に指定された建物屋さんで建物を建てなければならないという条件が付されているかどうか、ということをいいます。建築条件ありなら決まった建物屋さんで建築しなければならず、建築条件なしなら好きな建物屋さんで建築することが可能ということになります。
2. 建築条件ありって?
2-1.建築条件ありとは
建築条件ありと記載されている土地を購入する場合は、決められた期間内に指定された建物屋さんで請負契約を締結しなければなりません。基本的には「3か月以内」であることが多いです。建築条件ありの土地は建物屋さんが売主であるケースが多く、分譲地でよく見られる販売方法です。
2-2.メリット
建築条件ありの売り土地は、建築条件なしの売り土地と比べて安く土地が販売されていることが多いです。なぜなら、建物の建築で利益を得ることができるからです。建物の利益が得られることが分かっているので、土地の価格を安くして同エリアの売り土地と差別化を図っているのです。例えば駅近の土地単価が高いエリアで、建築条件あり・なしの土地がそれぞれ売られているとすれば、建築条件ありの土地の方が低い価格設定で売り出されているケースが多いです。そのかわり、建物で利益を回収します、というわけですね。
建物屋さんを一から探す手間も省けるので、マイホームを建てたいけど建物屋さんにこだわりがなく、お得に土地を買いたい方にオススメです。
2-3.デメリット
建築条件ありのデメリットは、建物屋さんを選ぶことができない点と期限が設定されているという点です。ある土地がとても気に入っていても建物屋さんは指定されているのでその建物屋さんが好みに合わなければ、その土地は諦めなければなりません。また、駅前など人気のエリアの分譲地ほど建築条件ありであることが多いため、心に決めた建物屋さんで建てたい方にとっては土地探しに苦労するかもしれません。
建築条件ありの売り土地は多くの場合3か月以内に請負契約を締結しなければならないので、その間に間取りや内装などを決める必要があります。住宅ローンの手続きも含めて毎週打合せをしなければならない勢いで色々と話を進めなければならないので、精神的にも体力的にも大変かもしれません。
3. 建築条件なしって?
3-1.建築条件なしとは
建築条件なしとは、建築条件あり土地とは逆に、好きな建物屋さんで建築することができる売り土地のことをいいます。建てたい建物屋さんがすでに決まっている方は、建築条件のない売り土地を探す必要があります。
また、建築条件ありの土地を建築条件なしで購入することができる場合があります。その場合は本来建築条件ありで建物を建ててもらった場合に得られるはずだった利益を上乗せした金額で販売されます。建築条件ありなら1500万円、なしの場合は1800万円でといった形です。どうしても割高になってしまう傾向がありますね。
3-2.メリット
建築条件なしの売り土地の最大のメリットは、好きな建物屋さんで建築することができる点にあります。また、建築条件ありの売り土地のように、決められた期限内に請負契約を結ぶ必要もありません。(土地の引渡しの期限や住宅ローンの兼ね合いで無期限に請負契約を締結しなくてもよいというわけではありませんが、建築条件ありの土地に比べて融通が効くといえます)
特に、土地を現金で購入する場合は住宅ローンの期限の制限がありませんのでゆっくりと時間をかけて建物について決めることができます。これは大きなメリットですね。
建物屋さんにこだわってマイホームを手に入れたい方は、建築条件なしの土地を探しましょう。
3-3.デメリット
建物屋さんを自分で探さなければならないというのは、ある意味デメリットであるとも言えます。建物屋さんはメーカー・工務店を含めるとかなりの数あります。建物の坪単価も様々なので、同じ間取りでも金額が大きく変わったり標準装備に違いが出てきます。建物屋さんを決めるために、複数の建物屋さんを回り、打合せ・見積りの見比べをするのは大変です。
また、建築条件ありの売り土地とは違い請負契約に期限がないとはいえ、土地の引渡しには期限が設けられます。住宅ローンにもスケジュールがありますので、期限に合わせて逆算して建物屋さんの決定・打合せ・請負契約の締結をする必要があります。
4. まとめ
・建物にこだわりがなく、できるだけ安く土地を手に入れたい人は建築条件ありの土地がオススメ。
・建物にこだわりがあり、時間がかけて家づくりを楽しみたい人は建築条件なしの土地がオススメ。