地鎮祭ってなにするの?費用や当日の流れについて|マイホーム基礎知識
- 上村信幸
- マイホーム基礎知識
1. 地鎮祭とは
地鎮祭とは、工事の安全やその土地やお家で安心・安全に暮らしていけるよう祈祷する儀式のことをいいます。工事前に神主さんに依頼し、お施主様・工事担当者が出席し行ないます。地鎮祭は日本書紀にも記されているほど昔からある風習です。法律で地鎮祭の実施が定められているわけではないので、地鎮祭をするかしないかは、お施主様の判断に委ねられます。必要でないと判断する場合は、建物会社さんに申し出れば地鎮祭は行なわれません。
2. 用意するもの
地鎮祭で用意しておくべきものは、地域や予算によってバラバラです。地域によっては祭壇にお供えする果物やお酒を用意しなければならないケースもあります。ここでは匠工房でお家を建てる場合の地鎮祭を行なうケースをお話しします。
匠工房では、お施主様にご用意をお願いするのは基本的に玉串料のみです。玉串料とは初穂料とも呼ばれ、神主さんへのお渡しする謝礼金のことをいいます。地域によっては玉串料の金額も異なりますが、2万円~5万円が相場と言われています。匠工房が依頼している神主さんへの玉串料は2~3万円ほどです。
玉串料はのし袋に入れて神主に当日お渡しいただきます。のし袋の水引は蝶結びかあわじ結びを選びましょう。のし袋の表には玉串料または初穂料と書き、下部には名前を書いてください。
用意するものは地域の慣習や依頼する神主、建築会社によっても変わってきます。事前に何を用意したらいいのか確認しましょう。
3. 地鎮祭の流れ
地鎮祭はだいたい20~30分程の儀式となります。地鎮祭では前日までにテントやイスなどが用意されるため、お施主様以外にご両親も参加されたいなどの希望があれば事前に伝えるようにしましょう。
また、地鎮祭はフォーマルな服装が望ましいと言われています。しかし、近年ではカジュアルな服装での出席も多いです。匠工房での行なう地鎮祭でも、フォーマルな服装でとお願いすることはありません。みなさん普段着でお越しいただくことの方が多いです。
それでは地鎮祭の流れを見ていきましょう。(地域によって順番や内容に差異はあります。)
①修祓(しゅばつ)
参列者とお供え物を祓い清めます。
②降神(こうしん)
祭壇にその土地の神・地域の氏神を迎えます。神主さんが声を発して神様の降臨を告げます。
③献饌(けんせん)
神様に祭壇のお供え物を食べていただくために、お神酒と水の蓋を取ります。
④祝詞奏上(のりとそうじょう)
家を新築する旨を神様に奉告する儀式です。神主さんが紙に書かれた文章を読み上げます。施主、設計者、建物会社を神様に紹介し、工事の安全を祈る言葉が綴られています。
⑤四方祓(しほうはらい)
神主さんが敷地の四隅と中央をお神酒・米・塩・白紙で清めますので、お施主様も同行します。(神主さんだけで行う場合もあります)
⑥地鎮(じちん)
祭壇の横に盛った砂山で行います。
・刈初め(かりそめ)
設計者が鎌で草を刈ります。
・穿初め(うがちぞめ)
お施主様が鍬で盛り、砂を起こし、鎮め物(しずめもの)を納めます。
・土均し(つちならし)
建物会社が鋤で砂を均します。
神主さん以外は、それぞれ3回に分けて、「えい、えい、えい」と声を出しながら行います。
⑦玉串奉奠(たまぐしほうてん)
参列者が順番に祭壇の前に立ち、玉串を捧げ工事の安全を祈ります。
⑧撤饌(てっせん)
神主さんがお神酒と水の蓋を閉じます。
⑨昇神(しょうしん)
神様にお帰りいただくための儀式です。
⑩直会(なおらい)
神主さんがお神酒を参列者に配り乾杯します。実際に飲めない場合もあるので、盃に口を触れるだけで終わる場合が多いです。
地鎮祭中は頭を下げる場面や玉串を捧げる順番があります。神主さんが都度教えてくれますので、心配せずに地鎮祭に臨んでください。
また、地鎮祭でお供えした物はお施主様にお下がりとしてお渡しします。お神酒や果物など、重いものも多く量も少なくないので、車で行くなどするといいでしょう。